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今泉 結

今泉 結

(経 歴)

2007年 四天王寺中学校卒業
2010年 四天王寺高等学校卒業
2010年 京都大学農学部応用生命科学科入学
2012年 京都大学理学部へと転学部
2015年 同学部卒業
2017年 東京大学大学院薬学系研究科分子生物学教室 修士課程卒業
2020年 東京大学大学院薬学系研究科分子生物学教室 博士課程卒業見込み
2017年度~日本学術振興会特別研究員(DC1)
2020年度~東洋紡バイオテクノロジー研究財団留学助成金取得

現在の仕事内容は?

今泉 結

 東京大学大学院薬学系研究科分子生物学教室にて、博士課程の3年目としてゲノムインプリンティングという不思議な遺伝子発現制御について研究しています。この現象は、哺乳類(と植物)にしか存在せず、哺乳類はなぜこのようなメカニズムを持っているかは現在明らかになっていません。私はインプリンティングの獲得は、哺乳類の複雑な脳機能の発達に貢献したのではないかと仮説を立てて研究をしています。そして来る2020年4月からフランスのモンペリエ遺伝学研究所にて、博士研究員としてしばらく働くことになりました。

四天王寺高等学校・四天王寺中学校に入学した理由は?

 ある日体験授業で受けてみた塾の授業が面白くて、入ってみたらいつの間にか中学受験をすることになっていました。とはいえ私は、勉強よりも外で遊ぶ方が大好きで、ボール競技かけっこ、その他なんでも来い、一番の得意教科は体育や!!(これはずっと変わりませんでしたが)というお転婆な子供だったので、あまり志望校について考えはありませんでした。
志望校はどうしようかと、両親に連れられて四天王寺中学校に見学に来たとき、ものすごく衝撃を受けたのを覚えています。
「お兄さんたちがグラウンドでハンドボールを真剣に練習している!!でも、男の人の声はどこからも聞こえない!?」
 そう、お兄さんたちに思えたのは高校のスポーツ推薦でハンドボール部に所属している「お姉さん」たちでした(失礼なことを書いて本当に申し訳ありません)。スポーツに本気で取り組むお姉さんたちにすっかり憧れ、第一志望は四天王寺中学校にすると心に決めました。そして、無事合格することができました。

高校・中学での思い出は?

 中学に入るとバスケットボール部に所属しながら毎日楽しい生活を送りました。特に楽しかったのは体育祭で、リレーのアンカーとしてテープを切った瞬間、大阪城ホールの画面に映されたのは、今でもいい思い出となっています。
 四天王寺中学高校の6年間、エネルギッシュな先生方に恵まれ、大きく影響を受けながら成長できたと感じています。授業中に先生が映画をおすすめすればそれを観て、先生が阪神ファンだと言ったら阪神を応援し、阪神の試合を予習してから授業に臨みました。

高校・中学生活で身に付いたことは?

 何事にも真剣に取り組む姿勢が身に付いたと思います。特に、合唱コンクールや創作ダンスなど、クラス対抗のイベントがあるたび先生方は「うちのクラスが勝つんや!」と一緒になって熱くなり、応援してくださりました。一生懸命取り組めば先生も喜んでもらえる、という思いがあったからこそ、身に付いたのだと思います。

大学選びから就職までの経緯は?

 研究をしてみたいなと思ったきっかけは、高校1年の時に習った「メンデルの法則」です。メンデルの法則は、エンドウマメで見られる性質の違いを観察して遺伝の法則を導きだした、という内容ですが、当時の私にとってはマメの種の形の違い、という「一見超どうでもいいこと」を徹底的に追究し、遺伝の法則という「普遍的な原理」を見つけだしてしまった、という事実に衝撃を受けました。たとえ小さな現象でも「なぜだろうか?」と疑問を持って一つ一つ明らかにしていけば、大発見が待っているかもしれない、と興奮し、大学でも生物学を専攻し、研究に携わりたいなと思うようになりました。

 志望大学は特にこだわりはなかったのですが、四天王寺の複数の先生が「京都はいいところよー」というのを聞いて、京都大学にしました。農学部応用生命学科を受験し、無事合格することができました。
 ただ、当時この学科の先生は、「大企業に就職して働くのが一番の成功」というような考え方があり、私にはあまり合わないなと感じました。そこで私は、研究のできそうな理学部へと思い切って学部を変えることにしました。
 理学部は、個性豊かで研究に情熱を掲げる少し変わった人が多くて楽しそうでした。教授たちは、「自分は世界に誇れる研究をしている!」と胸を張って研究に従事されている印象があり、そういった姿勢にも惹かれました。理学部に転学部したのち、私は一番不思議そうな「脳」が「どのようにしてつくられるのだろうか」という疑問について興味をもって、脳について研究している研究室に所属しました。その後、東京大学大学院に籍を移し、脳に関わる研究を続けています。

後輩(在校生・受験生)へのメッセージとアドバイス

 四天王寺の現役生のみなさんには、勉強も行事も精一杯楽しんでほしいと思います。四天王寺ではとくに宿題が多く出され、提出日に追われる大変な日々が続くと思いますが、宿題を無理やりやらされるだけではなくて、「この分野は面白いと思った」「もっと知りたい」といった自分の感性を大事にしてほしいと思います。また、行事もできる限り参加して、将来中学高校時代は楽しかったと胸を張って言ってほしいと思います。

テスト勉強や受験勉強というと、必死に机にかじりついてガリガリ勉強するというイメージがあるかもしれませんが、短期間ですべての科目を一度にマスターできる人はほぼいません。覚えて忘れて覚えなおして…の繰り返しです。それが積み上がって実力になります。だから私は、なるべく「めんどくさい、逃げたい」と思う時間を減らしていき、「次の日忘れてもいいから今もう一度復習しよう」、と行動に移す時間を増やすことをおすすめします。
 では、現役生のみなさん、体調管理に気を付けて毎日楽しみながら頑張ってください。

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